五島手延うどん協同組合プロモーションビデオ「五島うどん~麺匠が紡ぐ奇跡の物語~」

「五島うどん~麺匠が紡ぐ奇跡の物語~」制作秘話 Part03

 「幻の五島うどんを世界へ」を合言葉に、五島うどんの魅力を世界にPRしていくために五島手延うどん協同組合が制作しました、プロモーションビデオ「五島うどん~麺匠が紡ぐ奇跡の物語~」。
 第1話「五島うどんの発祥」・第2話「製麺工程」・第3話「麺匠のこころ」の3本柱で構成され、千数百年の時空を超えて現代に受け継がれる「小さな島の大きな奇跡の物語」を綴ります。このビデオは今、国内外で開催される物産展会場などで放映されています。


 「五島うどん~麺匠が紡ぐ奇跡の物語~」第3話は、物語の締めくくりとして、「ミスター五島うどん」と島の人々に親しまれている、麺匠・舛田安男が「麺匠のこころ」について熱く語ります。自ら経営する、ますだ製麺七目工場での取材は3時間に及びました。五島うどんを世間に知らしめた島の一人の麺職人が、夢を大いに語る時の真剣な眼差しをカメラはしっかりと捉えました。


テレビ番組に出演して五島うどんを有名にした立役者
 平成30年6月まで、五島手延うどん協同組合の理事長の重職を務めた舛田は平成14年、人気テレビ番組「どっちの料理ショー」(日本テレビ系列)に特選素材として五島うどんの生麺を提供。翌年には「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「全国うどん職人選手権」に出場し、天下の讃岐うどんを破って見事、準優勝に輝いたことで、それまで知名度の低かった五島うどんが一気に脚光を浴びるきっかけをつくった一番の立役者です。
 このテレビ番組の放送を皮切りに、その後も、テレビ・新聞・雑誌の取材が相次ぎ、白磁のようにツヤがあり、コシが強く喉ごしのよい五島うどんが、徐々に全国へと知れわたっていきました。のちに舛田は「マスメディアに取り上げられるようになって、五島うどんがいかに知られていなかったかを気づかされた」とも語っています。
 インタビューの中では、五島うどんの魅力について、五島列島に自生する椿・ミネラル豊富な五島灘の海水で製造される海塩・上五島の特産品であるアゴ(トビウオ)の、三拍子揃わなければ出せない深い味わいがある、と口を大にして訴えました。



麺職人が毎日、精魂込めてうどん作りに励んでいる


 また、舛田は五島うどんの美味しい食べ方にも触れながら、本場五島流といわれる、茄で上がった麺を生卵にからめるか、あごだしスープにひたしてすする「地獄炊き」の醍醐味について「仲間同士で和気藹々と食べるのが、上五島の郷土料理の醍醐味。『地獄炊き』はシンプルな食べ方だけれども、『美味しい、美味しい』と言って、みんなが笑顔になるのは、鍋を囲んだそこに、心を許し合う親しい友人がいるからではないかと思う」と、五島うどんが昔から、島に生きる人々のコミュニケーションづくりにも大きな役割を果たしていることを披露します。
 島の人々から「ミスター五島うどん」と呼び親しまれている舛田は、インタビューの最後に、大きな目を一層輝かせながら、麺匠の夢について力強く語りました。
 「麺職人は毎日、五島うどんを精魂込めて作り続けています。この五島うどんを今、『世界の五島うどん』にしようと、麺職人一丸となって挑戦を続けているところです」



 日本三大うどんの一つに数えられる五島うどんは古くから、漁に、農作業にと、日々の暮らしに追われる島の人々の間で、身近な材料でできる美味しい保存食として親しまれてきました。長い時間をかけて丹念に作り上げるために生産量が限られていたことから、かつては島の人々の間で「幻のうどん」と呼ばれていました。
 島に生きる人々の素朴な知恵から編み出された地域限定的な郷土料理で、日本のうどんのルーツともいわれる島の食文化の一つが「五島うどん」であることを、この映像は物語っています。
 さらに映像の中では、新上五島町出身で、東京在住のフォトグラファー、峰脇英樹氏が1週間の日程で上五島に渡り、平成30年に登録された世界文化遺産「頭ヶ島の集落」内にある頭ヶ島天主堂をはじめ、五島祈りの龍馬像のある「龍馬ゆかりの広場」、江袋教会の鐘楼越しに望む夕景、奇岩のある矢堅目の夕景など、太古の自然を今に伝える上五島の絶景地の日の出・日の入の情景をタイムラプスで撮影した動画を効果的に挿入しており、五島うどんを育んできた上五島の神秘的な景色の移り変わりも、このビデオの見どころの一つになっています。(終わり)


(文中、組合員敬称略)


企画・構成担当 石田雅博



「世界の五島うどん」プロジェクト プロモーションビデオ制作チーム

監修:橋口文信(五島手延うどん協同組合)、企画・構成:石田雅博、映像ディレクター:江﨑美香、カメラマン:田中信夫、音声・VE:濱崎裕陽、タイムラプス撮影:峰脇英樹、翻訳:久野えり子・Louise Carter、Webディレクター:西村文男



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